これは私の兄の知り合い(ここではAさんとする)のお話です。
Aさんを古い友人が尋ねて来たときのことらしいです。
その古い友人はどうやらアレな人生らしく、
据わった目をしながら
「儲かる仕事を見つけたんだよ」
などといいながら
明らかにマルチ商法と思われる仕事を熱心に進めに来ました。
その危ない感じに変貌した友人を前に
Aさんは多少の身の危険を感じるほどでした。
そこで
その友人以上に据わった眼をしながらこういいました。
「へぇ、おまえも儲かる仕事見つけたのか。
俺も儲かる仕事見つけたんだよ。
お前もやってみないか?」
この言葉に友人も据わった目で興味を示しました。
「え、どんな仕事?」
「臓器売買だよ」
友人はさらに聞きました。
「えぇ、それってどうやるの?」
「簡単だよ…、
取立て屋に
付いていくだけだからね…」
その瞬間に友人の目は正気を取り戻し、
仕事の話も早々に引き上げて行ったそうです。