8月の暑い盛り、新宿にある 郷土料理店に行った。
目的は昼ご飯を食べるためである。
その日はな〜んとなく外で食事をすることになり、
非常に近くにあったその店に行くことになった。
郷土料理といってもいろいろとあるが、
ここは各地のうどんやそばを出す店らしい。
つまりは日本全国のうどんやそばが楽しめる食事処という感じの店である。
そのメニューは、たとえばこんな感じ。
●讃岐名物 さぬきうどん
●肥前名物 しっぽくうどん
●京名物 にしんうどん
●豊後名物 げんこつうどん
ここに書いたのは一部であるが、
本当にいろんな種類のうどんがある。
「こんなにいろんな種類の名物（？）を
一度に食べられるなんてステキ！」
などと喜んでいる場合ではない。
こういった店には大きな落とし穴があるのが普通なのである。
そしてこの店にもその落とし穴は存在した。
たとえば、さっきは書かなかったが、この店のメニューには
そばとうどんがある。
●讃岐名物 さぬき うどん/そば
●肥前名物 しっぽく うどん/そば
●京名物 にしん うどん/そば
●豊後名物 げんこつ うどん/そば
何でも そば と うどん にすればいいって言う物ではない。
また、実際に注文して出てきたうどんがすごい。
どれも、麺・つゆがすべて共通。
ちがうのは上に乗っている具のみ。
そのつゆは関西風でも関東風でもなく、
双方を足して二で割ったような半端な味。
しかもつゆに化学調味料を使いすぎているのか、
なにやら舌にしびれのような物が食後もずっと残る。
このみせでは、具が違うだけでうどんの名前を変え、
ただ具が違うだけのうどんを郷土料理と呼ぶらしい。
きつねうどん てんぷらうどん
そういった物のくくりと さぬきうどん等のくくりを
一緒だとでも考えているのだろうか。
ラーメン、ネギラーメン、チャーシューメンなどの違いと、
札幌ラーメン、博多ラーメン、喜多方ラーメン、
東京ラーメンなどの違いは別の次元である。
都心の一等地で日本の郷土料理を侮辱するのはやめてもらいたい。