半年くらい前、自家製プリンを作った。
卵と牛乳を混ぜて蒸す、普通のプリンだ。
せっかくなので妻にも食べさせたら、「かたくて滑らかじゃない」と文句を言われた。
「黙って喰えや!」と卓袱台をひっくり返し、
口にプリンをムギュムギュと詰め込もうとしたが、卓袱台が無い。
…卓袱台を買うのは簡単だが、
ここは1つ上手にプリンを作れるようになることにしよう。
なんせ、前回失敗した理由は解っている。
まず、プリン液の卵と牛乳の割合だ。
砂糖も含め、適当に入れた。
次に蒸し時間だ。全体が固まってるのか外から見ても分からなかったので蒸し過ぎた。
次回へ向けて、この失敗を繰り返さない事が重要だが、
定量的な記録がないので参考にならない。
今後の経験を積み重ねるため、
とりあえず「容器」という共通項目を決める事にした。
マーロウのプリンが入っていたガラスカップにする。
☆
人間は失敗から物事を学んでいく。
これに習い、手始めに適当にプリンを作ることにする。
カップに卵を2つ割入れて撹拌し、
砂糖15gと200mlのラインまでの牛乳、バニラビーンズを加えさらに混ぜる。
次に電子レンジにいれて500Wで30秒加熱する。
カップを取りだし中身を混ぜて、加熱と撹拌を繰り返す。
こうすることでゆっくりと均一に加熱できる。
プリン液が推定55℃になったら、今度は200Wで加熱する。
固まり始めたら、これ以上混ぜずに様子を見ながら加熱を続ける。
「このまま放って置いても固まりそう」になったら加熱をやめる。
「固まったころ」、中心部に菜箸を刺し、箸がびしょびしょじゃなければよい。
後は冷蔵庫で冷やせばとりあえず完成だ。
☆
…食べてみる。
思いの外、固いプリンだ。
さらに、部分的にスが入ってしまった。
電子レンジ200Wでも強すぎるらしい。
しかも、甘味も足りない。
そもそもカラメルもかけておらず、ただでさえ卵が多いのだ。
なんだか卵焼きの様でもある。
一言で言えば失敗である。
しかし、次に生きる失敗であった。
もう一度チャレンジだ。
☆
同じマーロウの容器に、
今度は卵一個、砂糖25g、バニラビーンズ適量、残り200mlまでの牛乳、
カラメル代わりのメープルシロップ適量で作成した。
加熱は固まり始める前までは例のごとく電子レンジで行う。
そこでメープルシロップを上から流し込み、
固まるまではオーブントースターでじっくりと焼く。
そう、今回は焼きプリンなのだ。
ちなみに、オーブントースターで普通に加熱すると
あっという間に表面だけ焼けてしまうので、
加熱・停止をうまいこと行って
庫内の温度をそれなりで押さえる必要がある。
加熱・停止のタイミングは勘だ。
とりあえずきっちり焼けた。
焼き色もいいし中まで固まっている。
問題は味だが…。
素晴らしい。
今までのプリンに比べるまでもなく上等のプリンになった。
商品として売れそうな出来だ。
妻も「今までのとは違う!」と誉めてくれた。
☆
よかった。
卓袱台を買ったりひっくり返したりする必要はなくなったようだ。
作り方を忘れないよう、ここにメモしておこう。
☆
1.マーロウのプリンを買い、中身を食べて味を覚えると共にガラス製カップを手に入れる。
2.卵一個をカップに割入れ、カラザを捨てた後よくかき混ぜる。
3.カップに砂糖25gとバニラ(エッセンスでもよし)を適量入れ、よくかき混ぜる。
4.50℃程度に温めた牛乳をカップの200mlのラインまで注ぎ、よく混ぜる。
5.電子レンジで少し加熱→混ぜる→加熱を、プリン液が固まり始める直前まで繰り返す。
(卵の黄身が固まる温度は65℃だと頭に入れておく)
6.メープルシロップをプリン液の上から適量流し込む。
シロップは勝手にカップの底に溜まる。以後混ぜてはいけない。
7.カップをオーブントースターに入れ、スイッチを入り切りしながら適温で加熱する。
130℃くらいにするつもりでどうにかする。
もしくは素直にオーブンに入れる。
※温度は温度計で測ったわけではないので別途検討する必要あり。
8.プリンが固まっていることをどうにかして確認し、粗熱を取る。
9.冷蔵庫で冷まし、冷えたら美味しくいただく。
10.手順2に戻る。
☆
これでマーロウのカップが破損するまで永遠にプリンを食べ続けることができる。
我が家のプリン事情は安泰だ。
■ 2011年10月27日 ■