作者の独り言 > 
パンはモチより怖いという

以前、インターネット上のニュース記事に、こんなものがあった。

「もち」より恐い「パン」135人詰まらせ、8人死亡 東京
10月24日8時5分配信 産経新聞

この記事には、都内において平成18年〜19年の二年間で
食品をのどに詰まらせる事故が何件あったか〜などの情報を
東京消防庁が発表したということが書かれている。

そのうちの死亡事例のみに注目すると、
71人が食べ物をのどに詰まらせ死亡しており、
詰まらせた食材別では、「ご飯・すし」17人、「パン」8人、「もち」7人、
とのことである。


これは、このころに千葉県船橋市の小学六年の男児が
給食のパンをのどに詰まらせて
窒息死したことにより書かれた記事であろう。

たしかに、パンをのどに詰まらせて窒息死することはあるだろし、
注意喚起は必要である。

しかし、「モチよりパンは危険」なのだろうか。


ご飯・すし、パン、もち。
モチを主食として日常的に食べてる人は、
それ以外の二種を主食として日常的に食べている人に比べ
圧倒的に少ないだろう。

摂食回数に対する事故率を計算すれば、
モチに比べてパンは圧倒的に安全だ。

この記事で何を主張したいのかはわからない。

「パンで人が死んだ、東京消防庁が注意を呼びかけている」
それをただ記事にしただけなのかもしれない。

しかし、「もち」より恐い「パン」という題名には問題がある。

本当に怖いことは、咀嚼力の弱い高齢者や乳幼児は、
食材によってはこれをのどに詰まらせ
窒息する可能性が高いということだろう。

マスコミとして本当に伝えるべきことは、
食材をのどに詰まらせたときの対処法であり、
食材をのどに詰まらせない食事の提供法であり、
食材をのどに詰まらせない食事環境の整備法である。

人が死んだことさえエンターテイメントとしてニュースで伝えるマスコミ、
それに何も感じずに受け流す民衆が怖いのだ。

将来、食糧危機が訪れた頃に人々は言うだろう。

「みなが次々と餓死していく。
食料をのどに詰まらせて死んでいた時代が懐かしい…」

■ 2009年2月15日 ■

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