電車内を見回すといろんな人がいる。
通常はほとんど気にならないことをしている人ばかりであるが、
たまに気になることをしている人がいる。
そういう人がいると、
何となく観察してしまうのは悪い癖だろうか。
先日も朝電車に乗っているとき、
隣に座った若い女性が鞄の中をガサゴソと漁りはじめたことがあった。
夏らしい半袖の服を着た、
一見大人しそうなイメージの人だ。
電車内で化粧をはじめる人がいるが、
それを隣でやられても何もおもしろくないし、
何よりガサゴソと目障りであった。
席を移動しようかと思っていると、
彼女が絆創膏を取り出すところが視界の端に入った。
電車内で絆創膏を貼替えるのか?と思い見てみると、
どこに貼るのかわかってしまった。
彼女は左前腕の内側にある傷に絆創膏を貼った。
そのすぐ下の傷にも絆創膏を貼った。
二本の傷は真新しく、
腕を切断する方向、4センチほどの長さで平行に存在していた。
どうやら、リストカットで出来た傷らしい。
リストカットが若い女性の間で流行っていると言う話は知っていたが、
電車内でその傷の手当をするとは思わなかった。
リストカットをする時点で心が病んでいると思われるが、
明らかに「リストカットをしました」という状態にもかかわらず半袖で電車に乗り込むあたり、
神経が病んでいる証拠である。
こんな状態では普通の人は引いてしまって近寄らないし、
逆に近寄って来る人は同類か別の目的がある人だけだろう。
こうして彼女は、回復することなく病んだままに生きて行くのだろう。
☆
電車内は、気をつけてみるといろいろな面白いことが起こる場所である。
携帯ゲーム機で遊んだり、寝たりして過ごすよりも、人間観察をして過ごす方が有意義だ。
うむ。
■ 2012年5月16日 ■