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苦しい言い訳

その日、私は友人一号(仮称)と一緒に会う約束をしていた。

会うといってもたいした用事があるわけではなく、
その友人一号の買ったバイクを見せてもらうことがメインで、
その後どこかで食事をしたり
そこいらを走り回ったりするかなぁと言う程度のものだ。


当日、
予定では12時ごろ友人一号が私の家付近にきてくれるはずであったが、
彼は12時半ごろに現れた。

といっても来る前に電話があり、
寝坊したから1時間ほど遅れるということは聞いていたので
思ったより早く来たかな、という程度のことだ。

友人一号は休みの間連日バイトをしているて
その合間の休みを使ってうちに来てくれているわけで、
肉体的精神的な疲れにより たまには寝坊したりすることも有り得るだろう。


前回、休みの期間に友人一号と会ったときには、
先ず一緒に食事に行って 〜 などとしていた記憶があるので、
今回もそういった行動になるだろうことが予想される。



「うむ、予想通りだ」(何)


ということで食事に行くことになった。

食事の場所だが、友人一号曰く
涼しくて安いところならどこでもいいらしい。

個人的にはこういう場合に即答で
「ねぎとろ丼」
などと言い切れる決断力がほしかったりほしく無かったりするが、
実際やられると「こいつ何物だ?」と思われること
うけあいなので使用禁止である。

結局 前回と同じところなら問題ないだろうということで
某イタリアンレストラン「サイ○リア」に向かうことになった。

ちなみに新興産業株式会社の「パッ!と さい○りあ」ではない。


うちの近所にあるその某ファミレスは
席から脇を通る道路を展望することができるため、
そこを通る車種をほとんど言い当てることのできる友人一号が居る場合には
会話に困ることが無いというステキなファミレスでもある。

男同士では会話が無くなり沈黙という悪魔に取り付かれる可能性があるので、
こういう場所は効率的に使わせていただきたいと思う。


「いらっしゃいませ〜、おタバコはお吸いになりますか〜?」
「ではこちらへどうぞ〜」

ぐふ…、その席かYO。

残念ながら窓際の席に配属されなかったため、
メニューを眺めながら窓際が空くのを待つ。


思いのほか早く窓際が空いたので、
なぞの呼び鈴(?)を押して店員を呼び 席を移動することにした。
注文も決まっていたので同時に頼もうとしたが、
席の移動をさせただけで店員はあっさり帰還。

しかも
「このくそ忙しいのに席移動するためだけに呼び鈴押すんじゃねぇ…」
という空気を前面に押し出した見事な帰還だった。

おかげでまた呼び鈴を押して注文しにくい。


決死の覚悟で呼び鈴を押し注文したが、
さっき出てきたおばさんの店員(仮称)と違い
青年風店員(仮称)であったためことはスムーズに進んだ。


なぜか直前に微妙な昼ごはんを食べていた私は、
「何とかピザ」みたいなものと飲み放題のドリンクを頼んだ。

友人一号はハンバーグ系とライス、サラダ、飲み放題のドリンクを頼んだ。
曰く、ここのサラダは量が多いから2個とか頼むと大変なことになる。
ということらしい。

彼が思いのほかたくさん頼んだので、
飲み放題のドリンクに本領を発揮してもらい
時間調整をしなければならないなぁ。
とか思ったりする。


例のごとくセルフサービスの飲み放題のドリンクを取りに行ったが、
私がドリンクに氷を入れなかったことを友人一号が指摘する。

一号:「何で氷いれなかったの?」
私:「氷いれると薄くなるからねぇ」
一号:「でも氷いれないとぬるくない?」
私:「ぬるくても死なないし(笑)」
友人:「薄くても死なないけどね(笑)」

こんなような会話をしたりしながら料理が届くのを待つ。


当然最初に来た料理は友人一号の注文したサラダだった。

確かにこのサラダは一人で食べる分にはちと多いんじゃないかなぁ
と思いながらメニューを見返す…。
しかしメニューにはサラダに2〜3人前などといった表記は見当たらない。
サービスなのか嫌がらせなのかわからんなぁ…。

そんなことを考えていると友人一号に変化があった。
どうやらサラダに新食材を発見したらしい。

その新食材とは、
ぱっと見た感じイモムシ。
半分に千切れたイモムシ。
半分に千切れて切断面から頭のほうに向かって半分くらい黒く変色している
腐りかけのイモムシ。
そんな新食材に見える。

そんな時 人はどうするべきだろう。

冷静に、それはモンシロチョウかなんかの幼虫だねぇ
とか言ってもしょうがない。

とりあえず
「これ突っ込むところじゃないの?」
といって店員を呼んでみるように促してみる。

変なキモイ イモムシ入ってる!とかいって
これから食べるほかの料理をまずくしてもしょうがないので
ソフトなタッチで行動してみる。


中学生のころ昼ごはん前の4時間目に、
社会科の何かしらで原爆による被害の写真を見せらた。
その写真は破壊された建物や焼かれた町。
黒焦げの人間や人が居た場所だけ痕が残っている壁などである。

その写真集を見せられた後の昼ごはんで、
友人二号(仮称)の弁当に入っていたゆで卵の半切りを指差し
「目玉だ」
といったところ友人二号は食事不可能となった。

人間て見た目と違って実はデリケートなのかも…
と思わせてくれたありがたい事件なので、
これを教訓に、
見ためにダメージゼロでも心にクリティカルヒット
という場合を考えた行動をしてみた。

きっと食事続行可能なはずだ。


友人一号が店員を呼んで、
こんなものが入ってますが…とアタックしたところ
さっきの「おばさんの店員」が「申し訳なさそうなおばさん店員」に変化し
また新しいサラダをもってくるらしいことを告げて去っていった。

こんなときはちゃぶ台ひっくり返すなどのパフォーマンスをして
金を払わずに店を出るなどのハイテクニックな行動もあるが、
一般的な優良市民としてはこんな事態でも
ぐはっ!っと受け止め、げふっ!っと威力を殺し、
こふ〜と堪えなければならない。
市民はいつも苦汁をなめさせられるのか。
政府は何をしているんだ。(関係ない)

そんなこんなで新しいサラダが運ばれてくる。


サラダを持ってきたのは先の青年風店員だ。

店員はサラダと一緒にこんな言葉を添えた。
「まことに申し訳ありませんでした。
当店で使用している野菜は無農薬で栽培されておりまして、
また野菜を洗うときや切るときにも細心の注意を払っているのですが
ふんにゃらはんにゃら…」

こんなことを言われるとさすがに笑うしかない。

サラダにイモムシが混入していたのは無農薬が原因ですか(笑)。
ファミレスは新しいものを持ってきて言い訳を言うだけで終わりなのかな。
楽な商売ですなぁ…。


友人一号は
そのサラダに残りの半身が入っていないかを調べてから食していた。

彼なら死体処理班で活躍した後、
焼肉パーティーに出席することもできそうだ。
友人二号はたまたまデリケートな人材だったのだ。


そんな友人一号にさっきのイモムシについてプチ情報を伝授。
私:「キャベツに付くのは
モンシロチョウとかモンキチョウだからだいじょぶだぞ」
一号:「いや、あんまり関係ないし(笑)。しかもこれレタスだし」
私:「ぐふ…(撃沈)」

いやね、それは見れば解るんだけどね、
キャベツだと思い込んでたんだよね…。
ははは…。


そんなこんなで
これを書き始めて3時間もたっているからそろそろまとめよう(死)。


「客に出したサラダにイモムシが入っていた場合
ファミレスの店員の正しい接客態度はどのようなものか?」
という問題について、
客の立場と店員の立場、ファミレスの立場を踏まえた上、
2000文字以内のレポートにして提出しなさい。

提出先→何でも掲示板








いや、提出されても困るけどね。

なんとなく言ってみたかったんだよ…
独り言だし。

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