作者の独り言 > 
生きるために食べ、そして死ねと言うのか。

今は夏の休みの期間なので、実家で生活しています。

しかし、とある事情で現在うちの母親は家におりません。

7月の上旬に家を出ていったきり未だに帰ってきません。
おかげで家の中の仕事は作者がやらざるを得ないと言う状況になっています。

こんないい加減な母親を他人がどう思うかは解りませんが、
息子として言えることはこれだけです。

「現在母は入院中です」


そんなわけで、うちでは食べる物があんまりありません。
実家に帰っても自炊生活というのはやってられません。
しかも今度は三人分です。

「このままでは死んでしまう」
そう思いかけた頃、事態は一変しました。

買い物に行かなかったため、食料が切れました。

本当に死んでしまいそうだ…。
このままではダメだ、食料を調達しなければ!

よし、思い切って捜してみよう。(←買いに行けよ。)

「食う物はねえかぁー」
といって戸棚の中を物色していると、とんでもない物を発見しました。


炊き込みご飯の素です。
しかも三人で食べられる量です。

これさえ有れば生きていける。明日も太陽が見れるぞ。
「それにしてもなんで今まで残っていたんだ、
よく他の人間に食べられなかったなぁ。
もしかしてかなり奇跡の産物じゃない?」

そう思って作り方を調べていると、とんでもないことに気が付きました。

「この炊き込みご飯は誰も食べなかったんじゃない、食べられなかったんだ」

この炊き込みご飯を作るには、
人間には取り戻すことのできない物が一つ欠けていました。
この小さな一つの障害により、
この炊き込みご飯は誰にも食べられることなく
今までこの戸棚の中に眠っていたのだろう。


その「何か」とは、時間でした。
現在 2002年8月12日です。

食って死ぬか、食わずに死ぬか。
同じ死ぬなら食わなきゃそんそん。
もはや明日の太陽は見ることができないかも知れません。

inserted by FC2 system