作者の独り言 > 
電話代がかさむから

その日、ある人から携帯電話に電話がかかってきた。
その人とは最近ある理由で電話やメールで連絡を取る事が多い。

そしてこの人からはまたいいタイミングで連絡が入る事が多い。

その日も私は自宅に居たため、
電話で色々と話ができた。

まあ、連絡を取ることが多いと言っても、
実際、電話は週に1回する程度だ。
ただほとんど通話をしない自分としては驚異的な多さだということなのだ。

しかもこの人と話を始めると1時間くらい簡単に経ってしまう。
使っているのは双方携帯電話なので
電話代がしゃれにならない。
しょうがないので固定電話での通話に切り替えたりもしている。
ちょっと電話をしただけで1000円も取られては生きていけないのだ。

その日も30分ほど話をしていると、
例のごとく
「電話で話すより直接あって話す方がリーズナブルじゃない?」
と言う話になった。

話が長くなると電話代が気になるので
毎度のようにそんな話をしていたが、
今回は実際にあって話をすることになった。

今日、私は自分の買い物でヨドバシカメラに行く予定があり、
またその人もそういった電気屋さんで見たい物があったらしく、
一緒にヨドバシに行きつつ話をすることになったのだ。

これならば何時間話をしても電話料金はかからない。安心だ。

そんなその人は、
先日福祉機器展に一緒に行ったお仕事仲間の30代の女性の方だ。

ここは例のごとく先生とお呼びすることにしよう。
その方が自然なのだ。

さて、そんな先生とはどこで落ち合うかという重要な問題がある。

お互いに一番楽な場所で落ち合わないと後が面倒だ。

話を聞くと、先生はいま自分の車の中から電話をかけているところらしい。
もちろん捕まらないように道路の端に車を止めて話しているのだろう。

さらに話を聞くとどうやら近くにいるらしく、
そのまま車で私の家まで迎えに来るという。

「お迎えに来させるなんて申し訳ないですよ」
「それでお願いします」

家の近くに共通の認識のランドマークがあったため
家の場所はわからなくても近くまで来ることが出来るだろう。

迎えに来てもらったら、先生の家の駐車場に車を止めて
そこの最寄り駅から電車に乗ってヨドバシに行けばいいのだ。
うむ。

こちらは先日引っ越しをしたばかりで
家の中がごちゃごちゃしているため、
それを整理しながら先生の到着を待つ。

しばらくすると先生から家の近くに着いたとの連絡が来た。

近所まで来た先生を家に案内し、
比較的整理されている自分の部屋にあがってもらい
お引っ越しの大変さをちょっと語る。

ここで話し込んでしまうのもありだが、
お買い物という重要な使命もある。

出発が遅くなると帰るのも遅くなるので
さっさとヨドバシに向かうことにしよう。
すでに18時なのだ。

ヨドバシには電車で行くつもりでいたが、
結局先生の車でそのままヨドバシに行くことになった。

先生はドライブが好きらしく、
長距離の運転もあまり苦にならないようだ。

また、電車よりも車の方が道中いろいろと話をしやすいため、
本来の目的の会って話をする〜と言う意味でもとっても良い。

車で走行中、
「18時くらいだといつもなら仕事を終わらせて
おうちにさっさと帰りたくなる時間だ〜」

と話をしたら、
「若くないよねぇ」
と言うようなことを言われた。
他の人にも言われたことがある気がする。

「仕事が終わった!遊びに行こうヒャホーイ♪」
と思うなら若いのだろうか。

年齢の問題ではなく、
根本的にそういう人間ではないのだが…。

そんな話をしながら、
乗らなくても良さそうな有料道路を通ったり
高速道路を通ったりしながらヨドバシ付近に到着。
さすがにパスモに5桁入ってる人は車に乗っても違うなぁと思う。

そしていつ見つけたんだというような微妙な駐車場に車を止め、
ヨドバシに向かう。

ヨドバシでは自分の必要な物を買いつつも先生の捜し物を一緒に見回る。

先生のメインの捜し物は残念ながら無かったようだが、
自宅の照明器具とこたつとは何となく目星をつけていたようだ。

先生は引っ越しをして以来、
暖房器具も無しで
照明器具すらも一部の部屋にしか付いていない状態で生活しているらしい。

暖房がない生活は経験済みなので、とても共感できる(謎)。

ヨドバシを見回るついでに
音響機器のコーナーを回り、
先生に2万円くらいのミニコンポと
20万くらいの単品オーディオの音の違いを分かりやすく説明したりしてみた。

これできっと安物のオーディオは買えない体になっただろう。
よいことをした。

ヨドバシを出たのは20時過ぎだった。
そろそろ時間も時間なので夕食を食べることにしよう。

ヨドバシ付近ではこれといった店がないため、
車で少し移動しハンバーグ系のレストランに入ることにした。
このレストランは、
以前の独り言に出てきた芋虫サラダを出した店の向かいである。
昔は他の店だった気もするが、
ちょっとこないうちに店が変わったりしたのだろう。
店内はそこそこの客の入りで話をするにはちょうど良いくらいだ。

メニューを見て適当に注文をすると、
よく分からないがチェーン店らしい俗な作りの料理が出てきた。

ステーキの肉がフニャフニャし、
さらにだいぶ生であったためかなりまずかったのは秘密だ。

ハンバーグとローストチキンとステーキが1皿になっていたため助かったが、
ステーキだけなら大変なことになっていたところだ。

それはそうと、
先生と食事をするとなんだか肉料理の店につれて行かれることが多い。

今度はこっちから肉料理じゃない店に誘えばいいのだろう。
事前にヘルシーなお店を探しておかないといけないぞ。

いやいや、
食事にい行くことが目的なのではなくて
電話で会話をするとお金がかかるため
会って話をすることになったんだった。

今まで忘れていたわけではないよ、
うん。

それにしてもやはり食事をしながら会話というのは良いものだ。
イスもテーブルもあるし喋りやすい気がする。

でもぜんぜんリーズナブルじゃない気もするなぁ。
まあ良いか。

途中スープバーにスープを汲みに行きながら、
隣の4人席(2×2)にいた若い2人組をふと見ると、
2人で同じ側の席に狭そうに座って
楽しそうに食事介助をしたりしていた。

ああいうアホな生活だけはしたくないなぁと先生に話すが、
先生はそれほど嫌いではなさそうだった。

あんな生活をしてみたいのだろうか。

まあ、これと言って迷惑なわけではないから何ともいえないが。

そんなこんなで話をし、
お店を出たのは確か21時過ぎだったような気がする。

これから家に帰るわけだが、
どうやら先生が私の家まで送っていってくれるらしい。

そこいらの駅でおろしてくれれば電車で帰るのだが、
話をしながら帰れることと
先生がドライブ好きの様子なので送ってもらうことにした。

先生のドライブ好きは昔からのようで、
友人などいろんな人を車に乗せることがあるようだ。
そんな先生の友人等にも、
私にも気になることがひとつある。

ダッシュボードのこの物体だ。

車のダッシュボード
犬の人形のようだが、あつらえたようにぴったりとはまっている。

「なぜだ…」

誰もがそう思うこの物体。
なぜ後ろ向き。

しっぽと耳から哀愁が漂う。

一番おかしいことは、
先生自身は何がおかしいのか分かっていないことだ。

これを放置するだけで、
人は先生を天然ボケと評価するだろう。

出来れば反対向きにしてあげた方がいい。
先生のために。

そんな先生だが、先生の弟が大学生だった頃、
その弟の友人を車で迎えに行き、殺しかけたことがあるらしい。

右のタイやと左のタイやの間で通過したわけではない。

曲がり角を勢いよく曲がったら
「死ぬかと思った」
と言われたらしい。

どんな運転だったのか気になったが、
実践されると困るので聞かないことにする。

ただ、何年もたった今でもその話題が出るという話なので、

本当に死ぬかと思うような運転だったのだろう。
恐ろしい。

話は危険でも安全運転で町を進み、自宅に到着した。
23時くらいだったかなぁ。
また夜遅くなってしまった。

しかもなんだか先生を呼びだして足に使ってしまっただけな気がしてきた。
話が出来たと言っても、
どこと無くただの運転手だった気がする。
悪いことをしたかしら…。

今度は手みやげでも持って昼間遊びに行かせてもらおう。

何かしら話すことはあるだろう。
うむ。

■ 2007年11月7日 ■

inserted by FC2 system