作者の独り言 > 
たまにはお酒を飲むのも良いが…。

先日、例の同窓会があった。前回予告したとおりの恐怖ドライブではなく、普通の飲み屋さんでの同窓会であった。今回の参加者は4人。自分と、前回の寸劇共演者二人と、前回はこれなかったあの人との4名だ。いつになく参加人数が少ない。今回の開催場所は、上大岡付近の中華料理の店らしい。独り言にいろいろと難解な文章を書いたせいで、今回はあんなことやこんなことを聞かれる可能性がある。いろいろと楽しみだ。
当日、出発が大分遅れたせいでお店に20分弱遅れて着いた。お店には既に二人着いており、いつものように一人は遅れている様子だ。なんだかいつも通りの展開ですばらしい。お店は何となく独特の雰囲気で、なんか変だと思ったが、どうから生粋の中国人の方のお店らしく、転院さん同士では中国語での会話を繰り広げていた。出てくる料理は中華料理らしく、なかなかの出来だった。コース料理で、ハイペースに料理が運ばれたが、それもまた乙なものであった。今日は、久しぶりにアルコールを飲むことにした。名前は覚えていないが、甘めのお酒と、あまぁい花の香りのお酒を飲んだ。実際4ヶ月くらいはアルコールの類を接種した記憶がなかったため、久しぶりのアルコールでどうなるか心配だったが、全く問題はなかった。中華料理は杏仁豆腐で幕を閉じ、次の店へ移動することとなった。次の店は、以前ブラディーメアリーでお世話になったあの店だ。


…おかしい。この文章はいったい何だ。
いま、独り言を書こうと思って携帯電話を確認したところなのだ。
先日の同窓会について書こうと思っていた。

書こうと思っていたのに、
一足先に上記の文章が打ち込まれていた。

文章を作った日は、同窓会を行った日付と同じになっている。
おかしい。
この文章を作成した記憶は…、あんまり無い。

ただ、この文章は自分で打った文章だ。
と言うよりは、今まさに打とうとしていた文章だ。
打ち込もうと思っていた大雑把な流れそのままだ。
それがなぜかすでに打ってある。


いや、良く思い出してみると、
同窓会の帰りに電車の中でこんな文章を打ったような記憶がある。

文章のとおり、久しぶりにお酒を飲んだのだ。
帰りの電車内でうとうとしながら適当に打ち込んだのだ。

完全に下書きだった為、誤字や脱字、文章の推敲不足がそのまま出ている。

「お酒を飲んで記憶がなくなる」という話を聞くことがあるが、
これがそれなのだろうか。

文章を見たおかげで、それを打ち込んだことを思い出せたが、
それを見るまでは完全に失念していた。

飲み屋の2軒目を出たことや、払った金額などは覚えている。
電車を降りて階段を上ったことも覚えている。
家に帰って寝る前に何をしてかは覚えていないが、
そんなものは5日もたてばいつだって覚えていない。

ぽっかりと、電車の中で独り言を書いたことだけを忘れている。

この日、最初の文章に書いてあるとおり、
同窓会をしたのだ…。


そう…、珍しく参加者の少ない同窓会だった。

はじめに言ったお店は中華料理店だ。
到着するのが20分ほど遅れたのだ。

店内では、すでに寸劇で有名な二人が前菜をつまんでいた。
前菜は豚と鳥の蒸したもの(?)だった。
地味においしい。
なんとなく期待できそうなお店だと思った。

最後の参加者は連絡が無いまま来ていないらしい。
忘れているんじゃないか。
そんな疑問も湧いたが、気にしない人がそろっている。

料理はコース料理らしく、点心やらナンやらがたくさん出てきた。
どれも意外とおいしい。
店員が中国人のためか、普通に自然な中華料理だ。
中華を意識した料理ではなく、中国の料理だ。

この日は、なんとなく最初からお酒を飲む気分だった為、
参加者お二人の趣味に合わせてお酒を飲むことにした。
要するにお任せである。

何を飲んだのかは、中国のお酒なので覚えていない。
良く分からないお酒を二種類飲んだ。

まろやかな感じのお酒で、どちらもおいしいお酒だった。

食事の途中、最後の参加者も現れた。
髪の毛がだいぶ伸びていて、なんだか違うイメージだったが、
中身は変わらずイメージどおりで安心した。

同窓会は、なんだか今までに無い普通な流れで進んでいた。
きわめて普通。安心な同窓会だ。寸劇も演じられることは無かった。

ただ、遅れて現れた彼女が、前菜を意外な勢いで食べていた。
以前、セロリをぺろりと食べていたのを思い出す。

そんな事をしているうちに、コース料理を食べ終わってしまった。
こんな自然な同窓会は初めてだ。
少人数の方が話が通じやすくていいのかもしれない。
もしかしたら、独り言のことを聞かれていないからかもしれない。
今日はどうしたのだろう。
料理を食べ終わってからじっくりと聞くつもりなのだろうか…。

と思っていたら、店を移動することになった。
以前、ブラッディメアリーを飲んだお店へだ。
あの味は、いまだに忘れられない。


移動した店で、結局またブラッディーメアリーを頼んでしまった。

しょっぱい。からい。のどを通過する感覚が重い。
唇と食道と胃がなんだか痛い。
なつかしい味だ。

店内は照明をかなり控えた雰囲気なので、
同窓会らしい会話を楽しめるのかしら?と思っていたが、
例の2人組みには関係が無かった。

「最初から話を聞くと、思う壺な気がしたから」
と言いながら独り言についての質問をし始めた。

事前に2人で打ち合わせをして、独り言の話は後で聞くことにしていたらしい。
やはり、よくわからない書き方で書いた独り言 二つが気になる様子だ。

「なんともいえないですね…」
とりあえず、今はまだ黙っておきたいので言わないことにした。
もう少し分かりやすい結論を言えるようになったらのほうがいいのだ。

ブラッディーメアリーの次に、
店員さんにお任せで面白そうなお酒を頼むことにした。

「おもしろそうなやつ」という感じで頼んだのに、
ピンク色でグレープフルーツの味の、
さっぱりと普通なカクテルが出てきた。
おいしいが、ちょっと普通でパンチに欠けた。
さくっと飲んで、次にもっと面白いお酒を頼んでみることにしよう。

次に出てきたお酒は、
飲んでもなんだか分からないお酒だった。
なんだか変な味だ。
フルーティーではない。よくわからない。
あんまりおいしくないが、ごくごくと飲む。

「マティーニ」
お姉さま(仮称)がマティーニを頼んでくれた。
聞いたことはあるが詳しいことは知らないお酒だ。

一口飲むが、なにやらアルコール度数が強い。
今までで一番アルコールがきつい飲み物だが、
この店のブラッディメアリーに比べるとだいぶ飲みやすい。

おいしいのかそうでないのかよく分からないが、
意外と飲みやすい。
ごくごく。

のみ終えた後に気が付いたが、意外とおいしい気がする。

だんだん、目の焦点が合うまでの時間が長くなってきた気がする。
精神的にはそんなに変わらないが、
身体の反応速度がだいぶ悪くなってきた。
マティーニはどこかにだいぶ効いているらしい。

そんな事をしながらも、独り言にまつわる話や
今日来ていない同窓会のメンバーの話や、
ちょっとした昔話などを聞いたりした。

今回は変な盛り上がりも無く、
普通に同窓会を楽しむことができた気がする。

もう少し話をしていたい気もするが、
もう帰らなければならない時間になっている。


…そう、そうやって帰ったはずなのだ。
道中、電車の中で独り言を書いたはずなのだ。
マティーニのせいで記憶が飛んだのだろうか。

お酒を飲んで記憶に障害を感じるなんて、
今までに無い経験だ。

いや、今思い出した。
さらに記憶がよみがえってきた。

はじめの文章の前半は、同窓会に行く前に書いた文章だ。

「いろいろと楽しみだ」
これは本当に同窓会に行く前に書いた文章のはずだ。

お酒を飲んだせいで記憶がなくなるのは分かるが、
飲む前に起こったことを忘れているのはなぜだ…。

もしかしたら、最近疲れていて
記憶が飛びやすくなっているのかもしれない…。
他の大事なことを忘れないように気をつけて生活しよう。

■ 2008年8月7日 ■

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