通勤時、駅まで歩くと結構時間がかかる。
出来れば自転車で駅まで行きたい。
だが今ある自転車は若干調子が悪い。
というか壊れていて、まただいぶ古い。
通勤に使うためには、買い換えるか修理が必要だ。
ああ、妻にも自転車が必要だ。
彼女は今、片道8キロ強の通勤にママチャリを使っている。
当時一万円で買ったという7段変速の自転車だが、
いかんせんフレーム剛性が足りず、ペダルを踏むとフレームがよれる。
本来前に進むためのパワーはフレームに吸収されてしまい、
漕ぐ力が必要な割に速度が出ない。
ただただひたすらに疲れるのだ。
実際、自転車で一緒に出かけることもままならない。
妻には自転車を買ってやらなければならない。
一流ブランドの中で安価な自転車を選ぶとして、
妻の自転車は5万円弱のものを買うことになるだろう。
そうすると、自分の自転車にかけられるお金は限りなく少なくなる。
自分の自転車を新品にするのは先延ばしにすることにしよう。
とりあえず壊れている部分を修理することで何とかなるはずだ。
☆
修理が必要な部分は以下である。
・フロントのシフター(変速機)
・前後ブレーキ
まずシフターは壊れているためかきちんと変速できない。
シフトダウンは出来るがシフトアップが出来ないのだ。
一度シフターを分解して確認したところ、
内部のパーツが磨耗し変速不可能となったようだ。
ギアのところで変速を行うディレイラー自体は前後とも問題ない。
古いとかボロいというのはさほど問題ではないはずだ。
次にブレーキだが、これはとても効きが悪い。
まったく効かないわけではなく、握力で効かせているという状態であり、
スピードを出すとかなり危険である。
今使用中のブレーキはカンチブレーキというタイプのブレーキであるが、
これをVブレーキに変える事でブレーキ力を抜本的に改善することが出来るはずである。
換装にはブレーキ本体とブレーキレバーとを買わなければならないが、
シフターとブレーキレバーは一体型のものがある。
まとめて交換するには好都合である。
根こそぎ交換してしまおう。
☆
早速パーツを購入した。
・シマノ Acera BR−M422
リア用のVブレーキとして購入した。
・シマノ DEORE BR−M590
フロント用のVブレーキとして購入した。
・シマノ ST−EF51(3x7)
左右のシフター・ブレーキレバーのセットだ。
パーツはシマノで統一。
ちなみにシマノのパーツにはランクごとに名前があるようで、
マウンテンバイクのパーツでは以下のような順でランクが上がる。
Tourney → ALTUS → Acera → ALIVIO → DEORE
→ DEORE LX → SLX → DEORE XT → Saint → XTR
5万円前後の自転車にはAcera以下のVブレーキが装着されていることが多いようだ。
性能的にリアはそれで良いとして、フロントはちょっとランクアップしたDEOREにした。
値段は1000円前後と1500円前後。
1.5倍違うが、どんな差があるのか見てみたい。
シフターにはディレイラーとの互換性やらの制約が多く、
間違ったものを購入すると変速が上手く出来なくなる。
ブレーキワイヤーの引き具合が異なるため、Vブレーキへの対応も必須だ。
当然今の自転車にあわせ前3段・後7段のシフターから選ばなければならない。
ただ、今の自転車についているディレイラーと互換性があるのか不明だ。
といっても3×7のシフターは事実上ST−EF51しかなかったので、これを購入した。
上手くいかなかったときのことは後で考える。
☆
さて、まずはリアのブレーキから換装することにする。
今付いているカンチブレーキを適当に外そう。
あとはもう一本ボルトを外せばブレーキ本体が取れるはずだ。
外し方は見れば想像が付くだろう。
見ても分からない場合は、自分で作業しないほうが身の為である。
この程度の物が外せないとすれば、こういう作業に向いていないということだ。
そんな状態でブレーキを取り付けることなど出来るはずもない。
ということで、先に安全な後ろブレーキで作業をしている。
「これが出来ればほかの作業もきっと出来るさ」
自転車はタイヤ交換しかしたことが無いのだ。
AceraとDEOREとで、ブレーキを比較してみた。
見た目はやはりDEOREのほうが高級そうに見える。
また、重量もAcera201グラムに対しDEORE185グラムと一割近く軽い。
なんとなく、DEOREのほうがしなやかに見える。
シフターも観察してみよう。
シフトワイヤー込みで180グラム前後。
シフトレバーはカチカチと気持ちよく動く。
今まで付いていたシフターとは雲泥の差だ。
高価なものはさらに気持ちよく動くのだろうか。
改造ついでにグリップも交換することにした。
グリップを柔らかく手にフィットするものに交換することで、
手へ伝わる振動を減らし疲れを軽減できる。
これらのパーツを適当に交換していく。
「外す手順の逆の手順で取り付ければいいのです」
きっとそうだ。
細かいところではブレーキの調整やディレイラーの調整がだいぶ面倒ではあるが、
説明書を見て作業すればなんとかなるだろう。
実際に何とかなった。
問題であったディレイラーとシフターの互換性も保たれていたようで、
きわめて普通にギアチェンジが可能であった。
良かった良かった。
☆
換装後はこんな感じになった。
全体の写真は撮り忘れた。
古いしぼろいしさびているし、あまり全体をくまなく見ないほうが良いだろう。
ボロい自転車に真新しいパーツが付いているあたり非常にアンバランスだ。
せめて洗車くらいしろと言いたい。
しかし…、思えばタイヤも替えてから3年経った。
坂道を進むことが多かったので、以前のタイヤより細く、軽いものを適当に選んだ。
MAXXIS DETONATOR FOLDABLE 26x1.5 レッドxブラック を買ったはずだ。
あわせてMAXXIS U.LIGHT TUBE 26x1.5〜1.8を買った気がする。
タイヤ交換の効果は大きく、ペダルが本当に軽くなった。
見た目は古ぼけてきたがまだ使えるだろうか。
あああ、そもそもチェーンは自転車を買ってから一度も変えていないはずだ。
いつ購入した自転車なのか記憶に無いが、
15年前後経っているのではないだろうか。
一刻も早く交換するべきだが…、自転車を買い換えるためには余りお金も使えない。
どうしようかなぁ…。
☆
気を取り直して試乗した。
まずはブレーキのテストだが、今までのボロいカンチブレーキに比べると殺人的に効く。
以前のフロントブレーキより今のリアブレーキの方が良く効く。
若干コントロールが難しい効き方をするが、ホイールのロックも簡単だ。
フロントブレーキは思ったよりおとなしい。
ただ、強く握りこめば握りこむだけブレーキ力が増す。
コントロールしやすい特性でありながらブレーキのみでジャックナイフできる。
ブレーキは想定どおりに効く様になった。
あとはホイールの側をきれいにすればさらに良くなるだろう。
シフターは想定以上に良くなった。
ちゃんとシフトできれば良いと思っていただけなのだが、
シフトの正確性が増し、カチカチとしたシフト感もとても良い。
グリップも手への刺激が減り、またすべり難くなったため操作しやすくなった。
全体として、駅まで乗る分には大きな問題が無い程度まで回復した。
あとはチェーンの心配やフォークの若干のがたつきへの不安くらいなものだ。
暇があったら交換しようか…。
■ 2011年1月26日 ■