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ユニバーサル・スタジオ・ジャパン2015(1)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ってきた。

行ったのは2015年4月中旬。
一年の中で混雑具合が低い時期であり、
それでいて気温も低すぎない良い時期である。

なぜまたUSJに行くことになったのかといえば、これはやはり妻の希望である。

基本的に、私自身は旅行に行きたいなどという概念はほとんど持ち合わせていない。
妻が行きたいと言わなければ、きっと一生訪れなかったであろう。

自分一人なら訪れることのないであろうところに行く機会ができる。
きっと結婚のメリットの中の一つであろう。
めでたいことだ。


さて、妻にはUSJに行きたい希望だけはあるとして、
それを手配するのは私の仕事になる。

面倒な手間が増える。
これは結婚のデメリットの一つである。



まずは日程をある程度決め、次に移動手段や宿泊手段を決めなければならない。

今回、USJへはめったに行かないことを最大限に考慮し、
USJ入園は2日間とすることにした。
アトラクションに乗り損ねるなどということが有ってはならない。

つまり、最短工程は
「当日の朝USJに到着、入園1日目、宿泊、
入園2日目、自宅に向けて出発」
ということになるが、
これは想像するにいろいろ厳しい。

やはり
「USJ付近に到着、宿泊1日目、
入園1日目、宿泊2日目、
入園2日目、自宅へ出発」
だろう。
着いた当日にも宿泊が有れば、2日連続のUSJ侵入にも耐えられるはずだ。

これを前提として、某情報誌などでツアーを探すことにする。

「……」

ああ、バタフライ面倒くさい。

チケット込みとか移動手段込みの宿泊プランも沢山あるが、
帯に短し襷に長し。ちょうどシックリくるプランなど無い。
そもそもの前提が一般的ではないのかもしれない。

しょうが無いので個別に手配することにした。

結果……。

・1日目 新宿発22時台の夜行バスで大阪へ向かう。
・2日目 7時台に大阪に着き、適当に大阪観光をし、ホテルで1回目の宿泊をする。
・3日目 開園時刻から閉園時刻までUSJで1回目の滞在。ホテルで2回目の宿泊をする。
・4日目 開園時刻から閉園時刻までUSJで2回目の滞在。22時台の夜行バスで新宿へ戻る。
・5日目 7時台に新宿に着き、ふらふらと自宅まで帰る。

うむ。2泊5日の工程が決まった。予算に重点を置いた設計だ。
こんな工程はツアーでは見つからない気がするね……。



高速バス。
妻の実家に向かう際、横浜―仙台間で利用したことがある。

この時はあまりよく眠れず、また背中や肩、首が痛くなってしまった。
今回はその記憶を有効活用し「ちょっと値段の高いバス」を選んでみるとともに、
覚悟して乗ることにした。

おかげで到着した時には睡眠不足で体中がどことなく痛かったが、
想定の範囲内なので問題ない(ような気がする)。


さて、初めて降り立った大阪、ちなみに日曜日の朝だ。

思ったより人が少ない。電車も意外と少ない。
なんとなく今まで訪れたことのある場所で言うならば仙台駅のような印象だ。
思ったほどゴミゴミしていない。
と言うか、閑散としていると感じるくらいだ。

ふむ。エスカレーターは右側に乗るんだった。
1本目のエスカレーターに乗っている時に思い出した。
意識して乗らないと皆様のじゃまになってしまう。

大阪での行動に慣れないといけないなと感じつつも、
ホテルのチェックイン時刻までどこで時間を潰すか考えなければならない。
そもそも、朝ごはんすら食べていない。

「よし、朝ごはんを食べたらホテルに行こう」

……なにも午前9時にチェックインさせろとは言わない。
スーツケースさえ預かってもらえればよいのだ。きっと預かってくれる。


ということで無事にスーツケースを預け、
身軽に大阪観光ができるようになった。

ただし、特に下調べはしていない。
大阪と行って思い出すところといえば、グリコやら かに道楽の看板だ。

ほう、心斎橋というところにあるのか(何
大阪駅から南に3キロくらいのようだ。
スーツケースを預けて身軽になった身であれば歩いていける気がする。
のんびりと歩いて行くことにしよう。


……大阪から南に向かって歩きながら思う。
町並みは新宿とは全然違う、横浜とも違う。
上野からスカイツリーに向かって歩いていた時のイメージが一番近い。

なんとなくどこまでもオフィスビルが立ち並んでいる感じ。
こういうところで働く人たちってどういう生活なんだろうか。


大阪市立科学館だって」
妻が美術館だの科学館だのという文字に反応した。

心斎橋に行くだけでは時間が余りそうだし、
大阪観光の一環として訪れることにしよう。


「なんてこった、面白いじゃないか……!!」

ちょっと立ち寄るつもりが2時間も経ってしまった。

α線やらβ線の軌跡をエタノールの雲で見ることができる装置なんか
どうしようもなく面白い。

危うく大阪観光を忘れてしまうくらいだ。
下手な遊園地より楽しいぞ……。


科学館を離れ、14時ごろに心斎橋付近に到着。

噂のグリコ看板を激写。かに道楽も激写。人混みをかき分け商店街を突き進む。

「することひとつもなし」

心斎橋を通過した。

人はたくさんいるが、ここで彼らは何をしているのだ。
夫婦揃って観光とは無縁の性格を持っている気がする。

トイレを探すくらいしかすることがないとはどういうことだろう。


そんなことをしているだけで時間がなくなってきたので大阪に戻り、
妻が目を付けていた「たこ焼きの元祖」という店でたこ焼きなどを頂くことにした。

「……なんだこれは」

値段が高いわけではないが、不満が大きい。
まず、焼き方が下手すぎる。

店のレベルが低いのか、焼いた人間がたまたま下手くそなのか不明だが、
自宅で久しぶりに作ったたこ焼きのレベルだ。

店で大量に作るのであれば、自分のほうが絶対に上手に作れる。
そのくらい下手くそなたこ焼きが出てきた。

そしてちっともお腹にたまらない。
「むしろお腹が空く」という言葉がピッタリだ。
これは大阪では御飯のおかずなのか、それとも酒のつまみなのか……。

元祖というのは「向上心なく80年も改良もせずに作り続けている」という意味か。
なんにせよ、敢えて食べに行くほどの価値はなかった。


そう、大阪で困ったのは食事なのである。
東京や神奈川でよく見られる飲食店チェーンはあまり見られない。
しかもチェーン店以外のお店を開拓するほど自分たちに開拓精神はない。

結局コンビニのお世話になるのが必然である。
コンビニならば不安も不満もない最低限の夜食と朝食が確保できる。
めでたくホテルにチェックインしよう。


「マッサージチェアがある!」

ホテルの個室にマッサージチェアが置かれていた。
見る限りタダで使い放題らしい。
夜行バスで痛めた体をほぐすにはもってこいだ。

マッサージチェアの上で夜が更けていく。
ああ、ベッドで普通に寝るのとどっちが体が休まるんだろうか……。


つづく。

■ 2015年6月20日 ■

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