作者の独り言 > 
復活祭

作者の実家にはソニーのテレビがありました。
89年製です。

大きさは25インチくらい、
特に特別な機能などはない平凡なテレビでしたが、
家の中で一番大きなテレビだったため、それなりに重宝していました。

しかし、2002年の頭まで
13年間文句の一つも言わずに稼動していたこのテレビが
突然死にました。

その日は某NHKのプロジェクトXを見ていました。
確か、青函トンネルをやっとこさ開通させたという話でした。

この話の中で、青函トンネルが開通する場面があり、

何人もの死者を出したトンネル工事もこれで一段落というところで、
工事関係者が大勢集まり、喜び合い、
カウントダウンをしながら開通の瞬間を待っているところでした。


















プツ















これがこのテレビの最後でした。

本当に壊れるタイミングが絶妙でした。
誰かの罠かと思うほどの見事なタイミングでした。
涙が出そうでした。

そして、このテレビは
次のテレビを買うときにでも引き取ってもらえば
処分代がかからないだろう

と言う安易な考えにより
部屋の隅に放置されていました。


しかし
時は2002年7月下旬
このテレビは奇跡の復活を遂げました。

正確に言うと、作者が直しました。
まあ、電気工学科の本領発揮ってとこです、


誰でも解るように、基本的に物が壊れるのには原因があります。

故障の原因を突き止め、できうる限りの範囲でできる限り安く直す。
これが修理工としての基本でしょう。

まあ、動きもしないで部屋に置いてあるだけのTVなんて物が壊れる原因は
90パーセントこれだと思います。

異物の混入による回路の短絡

まあ、この場合 異物といってもただの埃です。
要するに
「埃さえ取り除けば壊れたテレビの90パーセントは直るだろう」
ということです。

問題はどうやって埃を取り除くかですが、普通の人が考えつくのは
「箱を開けて掃除機等で埃を取ってみる」
良くてこの程度でしょう。

でも電気工学科の作者はそんな甘っちょろいことはしません。

今回行った埃を除去する方法とは…


丸ごと水洗い。


箱を開けて風呂場へ持ち込みシャワーを握り
中の基盤も
チップも
ブラウン管も
全て水洗い。

面白いように汚れが落ちます。

「電化製品なんか水洗いして大丈夫なのか?」
と思う方もいらっしゃると思いますが。
全然ダメです。
目の前にあるディスプレイに電気が流れる水道水なんかかけてはいけません。
確実にブッ壊れます。

でも、電気が流れていなければ、ただの箱です。たぶん。
こんな物は良く乾かせば大丈夫。たぶん。

だから洗った後は良く乾かしました。
これは一種のエチケットですね。(←たぶん違います。)

良く乾かしたら、箱を閉めて完成です。

初めてコンセントを差すときは気を付けましょう。
もし内部に水が残っていた場合、ピシッと火花が散って終了します。
結構怖い瞬間ですね。


そんなわけで家のテレビは奇跡の復活を遂げました。
これからまた本当に壊れるまで家で働くことでしょう。
この時代のソニーにはまだソニータイマーは付いていないと思われるので
きっと長生きするはずです。
これからも頑張って下さい。


- - - - - - - - - - - 注意 - - - - - - - - - - -
一般の人には危険なので
電化製品を分解したり水洗いしたりするのはやめましょう。
下手をすれば感電して怪我をしたり、
死んじゃったりするでしょう。

コンセントを抜けば大丈夫だと思っている人もいるかと思いますが、
電化製品にはあんなところやこんなところに
電気をためる部品が付いています。
たまる電気は直流なので痛いですよ。

まあ、痛いうちは良いですがね。
思わず死んじゃったりする人もいますので、
電化製品の分解洗浄はしない方向で生きていきましょう。

電化製品の買い換えをケチったばかりに死んだとあっては残された家族も
笑いをこらえるのが大変です。
ここは一発きっちりと買い換えて家族の信頼と日本の景気を回復させましょう。

inserted by FC2 system