ディズニーリゾートに行く。
これは妻と結婚する頃からほぼ毎年恒例のイベントである。
今年は年明け早々ふと思い立ち、
2月中にディズニーシーに行くとに決めていた。
2月はそれほど混まない月のようだし、
妻と休みの合う日が多いので日付を選ぶことができるのだ。
ただ、今回は一人誘ってみたい人がいる。
妻より14歳も若い独身女性で、誘えばノコノコ出てくるKN氏だ。
以前ディズニーリゾートに毎年行く話をしたとき
一緒に行きたがっていたような記憶がある。
妻もKN氏が来ることに賛成らしい。
Skypeで声を掛けてみよう。
「2月中にディズニーシーに行く予定なんですが、KN氏も誘いましょうか?」
「いいんですか〜?そんなデート感たっぷりなところに私がいて(笑」
知り合いをお出かけに誘うと、大体この類いの返事が帰ってくる。
当然、気を使うのはわかる。
だが、いままで妻と二人だけでディズニーリゾートに行ったのは2回しかない。
だいたい誰かを連れていっているので、
KN氏を同伴させたところでなんと言うこともない。
「他の人を誘ったこともあるので問題なし」
あえて問題点をあげるとすれば、
KN氏の都合を考えると平日には行けないということだけだろう。
「11日か18日に行く予定なんですが、どっちがいいですか?」
「11日がいいな」
ふむ、11日は祝日の土曜日だ。
多少混むかもしれないが、
三人居れば待ち時間が長くても色々と楽しいだろう。
ということで、今年のディズニーシー旅行は幕を開けたのであった。
「シーよりランドのほうが好きなんだけど」
KN氏が戯言を言っているが、そんなことに興味はない。
☆
さて、3人もいる以上 行き帰りの計画は立てておかねばならない。
まず、ディズニーシーには車で行く。
当然運転手は私だ。
電車のほうが肉体的には楽だが、
車は荷物も積めて自由だし、3人なら高速を使っても電車賃より安い。
問題はどこでKN氏と合流するかだが、
駅の付近でピックアップするのは面倒である。
彼女には自分の原付で実家に寄ってもらい、そこで捕まえることにしよう。
バイクで帰れば終電は気にしなくてすむし、
お土産等の荷物も少なからず持ちやすいだろう。
ディズニーシーの開園時間から逆算すれば、
集合時間は朝7時半頃でいいはずだ。
そうすると自分達は6時45分ごろには家を出ないといけないな。
まあ、そんなもんだろう。
☆
等々と予定を立てながらTwitterを見ていたら、
知り合いの発するツイートが目に止まった。
「ねずみーしーは行ったことないから、機会があったら行ってみたいものよのう」
全く関係ないところから沸いて出たこのツイート。
運命かもしれないのでメールを送ってみる。
「11日にディズニーシーに行く予定なんですが、一緒にどうですか?」
「混ざっていいのですか?(それって夫婦水入らずでは…)」
例の如くの返答だ。
「すでに知り合いが一人同伴する予定だから問題なし」
ということで、
あっという間にディズニーシーには4人で行くことになった。
この4人目の彼は以前お台場のガンダムを見に行ったもと同級生の未婚男性だ。
ここではCL氏と呼ぶことにしよう。
☆
参加人員が増えたので予定を変えなければならない。
KN氏のお迎えを7時20分に前倒しし、
CL氏はその近くの駅まで来てもらってピックアップしよう。
ディズニーシーには9時前後につけばいい。
帰りだが、KN氏は実家に送ればバイクで帰れる。
CL氏は合流した場所まで送ると終電に間に合わない可能性が高いから、舞浜で下ろすしか無い。
超分かりやすい案内も送ったし、きっと迷わずに合流できるはずだ。
それにしても、
うちの車は4人乗りだけど実際に4人乗せて運転するのは久しぶりだな。
ドキドキ。
しかしこんなに人数が増えるなんて、
テレパシーでディズニーシーに行くことが伝わるのだろうか。
恐ろしい世の中になったなぁ。
☆
「今年はディズニーランドとかにまた行くの?」
用事で実家に行ったら母親に尋ねられた。
ここにもテレバシー使いがいるのか。
「11日に行く予定だけどね…」
「そうなの?お邪魔かもしれないけど一緒についていってもいい?」
「…むり」
物理的に乗せていけないし、人員構成から言っても無理だ。
諦めてもらうほか無い。
☆
それはそうと、
二月のイベントにバレンタインデーというものがある。
妻いわく、ディズニーシーに行くときにCL氏にバレンタインのチョコを渡すとのことだ。
よりにもよって、手作りチョコを渡すつもりらしい。
「チョコ買ってきた」
そこには板チョコが5枚。
妻の好きなチョコで手作りチョコを作るつもりなのである。
ハート型の容器も買ってきたようだ。
…でも、作るのは私の役目。
◆チョコを溶かして、ラップの上にうまいこと垂らして、冷蔵庫で固めるだけ。
あとは固まったチョコを100円ショップで買った容器にいれて、
周りにレーズンチョコを転がせば完成だ。
費用は板チョコ2枚+容器+レーズンチョコ2袋で500円弱。
味は市販品そのままだが、見た目は遊び心一杯だ。
きっと喜ぶだろう。
誰が作ったか知らなければ…。
☆
そんなこんなで着々と進むディズニーシーの準備。
余談だがKN氏に言われて印象に残った言葉を紹介しよう。
「ディズニーシーってさ、何しに行くの?」
「……」
妻にも伝えたら絶句していた。
こんなことを言い出すKN氏と、CL氏とは初対面だ。
道中無事に過ごせるだろうか。
KN氏はマイペースだが、CL氏がうまいこと会わせて対応できる気がする。
あれ、もしかして車に乗るときの配置も考えなければならないのか。
いつものように妻が助手席に乗ってしまったら、
後部座席で初対面の二人が並ぶことになる。
初対面の男女を隣同士に座らせるのも非人道的だ。
妻には当日後ろの席に座っていてもらおう。
「当日は後ろの座席に座ってね」
「そうね、KN氏が助手席に座るほうがいいよね」
「いや、CL氏が助手席だろ…」
別にKN氏が隣でもいいのだが、なにか違わないか。
もしかしてCL氏と二人で並びたいのか…?う〜ん。
そんなこんなで、計画は綿密に練られていく。
当日が楽しみである。
★
さて、ついにディズニーシーに行く日が来た。
朝は4時45分に起きて準備開始。
6時40分ごろ家を出た。
土曜日だし車の数は少ない。快適だ。
快調に車で走り出して10分、あることに気づく。
・せっかく作ったチョコを家に忘れた
計画は綿密だが実際は不足の事態が起こるものなのだ。
ああ無情、忘れられてしまったチョコはどうなるのか、
はたまたディズニーシーではどんな冒険が待っているのか、
続きは次回までのお楽しみ。
続く。
■ 2012年2月20日 ■