ショットバー。
ウイスキーなどの酒類をグラス1杯単位で飲ませる酒場だ。
自宅でウイスキーを飲むようになって1年経つ。
開けたウイスキーのビンが増えるにつれ
新しいウイスキーに触れてみたいという気持ちが強くなる。
しかし、一本数千円のウイスキーボトルをポンポンと買うわけにもいかない。
当然そんなに飲むことも出来ない。
そうなると、当然ショットバーのような店で多種の酒を少しずつ飲むということを思いつく。
そんな時、以前から交流のあった某クラスメイトから
バーボンのショットバーに行ったら楽しめたという話しを聞いた。
「偶然にしてはタイミングが良すぎる…」
きっと何者かの力が働いたのだろう。
一緒にそのショットバーに行ってみることにした。
☆
その店は上大岡にあった。
ShotBar Destiny という店である。
先述のとおりバーボンを主体としたショットバーだ。
店内にはバーボンのボトルが所狭しと並んでいる。
これらのバーボンの中から、客の好みに応じたバーボンを提供するという形態の様だ。
飲み物だけではなく、おつまみ的な食べ物も頼める。
ピザなんかもあった。
聞いたことがある銘柄だがボトルは見たことがない。
家庭でこういった類のバーボンを味わうのはなかなか難しいだろう。
バーボン以外のウイスキーも置いてある。
それらを飲み比べる機会などあまりないので
とてもいい経験になった。
なぜか生ハムの足が置いてあった。
ハモン・セラーノというスペイン産の生ハムだ。
イタリアのプロシュートの様なとろける食感とは違い、
むしろビーフジャーキーの様なしっかりとした噛み応えのある生ハムだった。
☆
いつも家ではスコッチウイスキーや、ジャパニーズウイスキーを飲んでいるので、
意識してバーボンウイスキーを飲むのは初めてである。
店に行く前、事前にウイスキーについて調べた。
知らないよりは知っていたほうがいいのだ。
両者の大きな違いはその原材料であろう。
スコッチやジャパニーズがモルトが主体のウイスキーであり、
バーボンはトウモロコシが主体のウイスキーである。
スコッチがイギリス(スコットランド)のウイスキーで
バーボンがアメリカ ケンタッキー州(バーボン郡付近)のウイスキーであることは言うまでもない。
そして、モルトに比べトウモロコシのウイスキーは
個性が少ないとされている。
飲んでみると確かにスコッチとバーボンは違う。
スコッチは銘柄ごとに驚くほど香りが違う。
甘い、焦げ臭い、果物の香り、いろいろと形容できそうな香りが詰まっている。
これに比べるとバーボンはだいぶ軽い。
スコッチに含まれるような焦げ臭さはなく、
さーっと花が咲くような甘い香りである。
スコッチは喉の奥までゆったりと香りを開きながら降りていくが、
バーボンは喉に入る直前、ふわっと拡散していく。
飲む前には気がつかなかったが、バーボンは繊細な飲み物なのだ。
今のアメリカの食生活からは想像できない繊細さだ。
水にたとえるならば、
スコッチは硬水で、バーボンは軟水であろう。
☆
今回のショットバーではバーボンについてよく知ることができ、
とても有意義に過ごせたと思う。
自宅でもバーボンを買ってみようかと思わせてくれる内容だったが、
やはりまだスコッチを続けてみたい。
あと3種類くらいスコッチを開けたら一回バーボンを買ってみよう。
そんな気分だ。
■ 2010年12月6日 ■