これまた去年の話なのだが、炊飯器を買い換えてしまった。
今まで使っていた炊飯器は妻が独身時代に購入した1998年製の3合炊きだった。
特にこれが故障したわけではない。
コメをより美味しく炊く炊飯器で、
もう少し容量の大きい物が欲しくなったのである。
買った炊飯器はこれ。
「Panasonic 可変圧力IHジャー炊飯器 SR-PB103」
加圧式IH炊飯器の部類に入る製品だろう。
最近の炊飯器は大雑把に2種類あると思う。
まずは炊飯時に加圧するもの。
加圧することで圧力鍋のように高温短時間で調理が可能となり、
出来上がったご飯はもっちりとした食感となる。
もう一つは炊飯時にコメの対流を促すもの。
釜の中のコメを何らかの手段で対流させ、炊きムラを無くすというものだ。
買った炊飯器は加圧式だが、加圧の目的は後者だと理解している。
炊飯時に加圧と減圧を繰り返すことで対流を起こすのだ。
加圧して沸点を上げることで炊飯器内の温度が上がり、
その後圧力を抜くと沸点が下がり勢い良く沸騰する。
爆発的な沸騰の結果、釜の中でコメが対流するのだ。
コメの対流がご飯の味にどの程度影響を与えるか知りたければ、試してみればいい。
非加圧式の炊飯器限定かつ炊飯中安全に蓋を開けられる機種限定の裏技だが、
炊飯中にコメをかき混ぜればいいのだ。
釜の中が沸騰する直前くらい、
コメがまだ水を吸いきっていおらずじゃぶじゃぶしている時にかき混ぜる。
これで炊きムラは激減しご飯がおいしくなる。
これを試して味の違いがわからなければ炊飯器を買い換える必要はないだろう。
味覚が足りていないか、炊飯器がすでに高性能かのどちらかだ。
ちなみに、最近の炊飯器はもっちりとした食感に仕上げる物が多いと感じている。
特に加圧式の炊飯器が増えている理由がこれだろう。
コメそのものがそういう方向に品種改良されているせいもある。
よってササニシキなどのさっぱりした品種を加圧式炊飯器で炊くと
なんとなくその持ち味が消された感じになる。
うちはまさにササニシキを常用しているためこの点が若干不満だが、
炊飯モードを変更したり水量を加減することで何とかなるような気もする。
いずれにせよ、炊飯器を買い換えたことでご飯はおいしくなったように感じる。
一度にたくさん炊けるようになったこともメリットだ。
10万円の炊飯器に魅力があるのかは分からないが、
3万円くらいの炊飯器は確かに1万円のそれよりも美味しくコメを炊く能力が備わっている。
1万円の炊飯器は炊飯時に撹拌するという手間をかけることで
3万円相当の味に持っていくことができると思う。
逆に言えば手間を減らすための差額だと理解すると、
炊飯器の価値がわかるような気がする。
■ 2015年3月21日 ■