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インターネット上に国境はないが

SNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービスというものがある。
「個人間のコミュニケーションを促進し、
社会的なネットワークの構築を支援するインターネットを利用したサービス」

を挿す。


インターネット上に国境はなく、もともと自由な世界だった。

そこにSNSのような枠組みが現れた。

SNSはそれぞれ境界線を持ち、
それぞれがインターネットの中で大きくなろうとし、
またインターネットの代名詞になろうと拡大を試みている。


初めは寄り合い所だったSNSには、
デパートが併設され、シェアハウスとして人が住み、インフラの整備も進んでいく。

SNSはインターネット上の国家になろうとしているのだ。


いや、SNSのみがインターネット上の国家を目指しているのではない。

アマゾン、グーグル、フェイスブック(50音順)。
彼らに代表されるインターネット上のサービスを提供する企業では、
最終的な目標が"国家"の樹立だろう。

インターネット上に、すべてを包括する自らのシステムを建造する。
このシステムに全世界の人々を組み込むのだ。

そこに集中するインターネット上の収益。
その一部を搾取することで企業は安泰だ。



私がこの独り言を書いているサイトはSNSやブログではない。
インターネット上に点在する普通のWEBサイトだ。

WEBサイトのサーバーそのものはプロバイダーから間借りしているが、
中身はHTMLを記述し全て手作りで作成している。

出先からは更新できないし、
その他色々と手間がかかっている。


これに比べるとSNSを利用するのは簡単だ。

ワードやエクセルを使うのと似たようなもの。
サービスの利用方法をちょっと覚えれば誰でも利用できる。

自宅でも外出中でも、インターネットにアクセスできれば記事の投稿や閲覧ができる。
実に手軽である。


どこでも投稿ができるという手軽さゆえ、
このサイトをそういったSNSに移行させようかと思ったこともある。

「個人間のコミュニケーション」にはあまり興味が無いが、
「どこでも簡単に投稿できる」点がとても魅力的なのだ。

独り言のネタを思いついても、メモを残す前に忘れてしまうこともある。

でも、SNSを利用してすぐに投稿できれば喪失の可能性は低くなるだろう。


それでも、私がSNSを本格的に利用しないのには理由がある。
実に簡単な理由だ。

インターネット上での独立だ。

このサイトはインターネットを利用して(ある意味)全世界に配信している。

SNSなどに包括され、わざわざ小さな"括り"に移行する必要はない。

小さな"括り"にしてしまっては、
独り言が本当の独り言になってしまう。



と言いながらも、先に上げた企業のサービスも平然と利用している。
国家間の貿易は必要……なのだ。



インターネット上に国境はないが、インターネット上に国家ができる日は近い。

そのとき、その企業に登録されるアカウントは国民総背番号となり、
皆がこぞってそれを取得するだろう。

■ 2014年1月19日 ■

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