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シーベルト?ベクレル?

福島第一原子力発電所。
東北地方太平洋沖地震で世界的に有名になってしまった。

これらに関するニュースでよく耳にする放射能にかかわる単位、
シーベルト、ベクレル。
一般人にはなじみの無い単位である。

自分でも、漠然とは解るが正確には解らない。

ニュース等でも値としては出てくるが、
それらの相関関係等は不明確だ。
ここはひとつ調べてみることにしよう。



Sv:シーベルトとは、生体への被爆の大きさの単位である。

まず、物体がうけた放射線のエネルギー自体は"グレイ(Gy,[J/kg])"と呼ばれる単位で表される。
ただ、放射線には種類があり、同じエネルギーでも生体への影響の大きさが異なる。
この影響の差異を考慮して算出されたものがシーベルトである。

大雑把に言えば、人体がうけた放射線のエネルギー(J:ジュール)を体重1キログラム当たりに換算し、
放射線の種類により異なる1〜20の係数をかけた値、ということだろう。

ちなみに、
1シーベルト=1、000ミリシーベルト=1、000、000マイクロシーベルトである。

問題となるのは、どの程度の放射線を浴びると健康に影響があるのか
ということだろう。

これは、実際いまいち分かっていないのだろう。
普通の暮らしをしていても、
世界平均では一年間に2.4ミリシーベルトの放射線を浴びている。
平均すれば0.27マイクロシーベルト/時だ。

一回の胸部X線撮影で受ける放射線は0.1〜0.3マイクロシーベルト程度であるらしい。
撮影時間(放射時間)を0.1秒とすれば、3600〜10800マイクロシーベルト/時である。

"シーベルト"と"シーベルト/時"等の区別は明確にしなければならない。

たとえば、人間が1日に1キログラムの食料を食べるとして、1年間では365キログラムだとする。
平均すれば 365kg/年 だが、1日で365キログラムの食料を食べれば死ぬだろう。
死なない程度、1日に2キログラムを半年間食べて、
残りの半年間は何も食べなくても平均すれば365kg/年だが、
これもやはり死ぬだろう。

そもそも、100kg/年で生きている人もいれば、500kg/年で生きてる人もいるだろう。
平均化された平均値には意味が無い。

シーベルトの値に一喜一憂しても無意味だ。
気になるならば対放射線スーツを買えばいい。


Bq:ベクレルとは、放射能の量を表す単位であり、
1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレルである。
大体は質量や体積と共に[Bq/kg]、[Bq/cm3]のように記載される。
100[Bq/kg]ならば、1秒間に1キログラムあたり100個の原子核が崩壊しているということだ。
ちなみに、水1キログラムに1グラムのラジウム226が含まれていた場合は
約364000000[Bq/kg]である。

ほうれん草から数百ベクレルなんて話もあるが、
以前はどのくらい含まれていたのだろうか。
まさかゼロではあるまい。

測定はどのような方法でしたのだろうか。
放射能は表面に付着しているのか、洗ったら落ちるのか。
知りたいことは多い。



放射能、放射線…、マスコミの言うことは信用できない、信用できるのは自分だけだ。
などと憤る人々もいるだろうが、
それらの情報自体がマスコミからの情報だ。

福島の原発が津波で被害を受けた。
これを自分で確認した人間は多くないだろう。

所詮マスコミの情報の上で踊っているだけではないか。
踊らされているのではない、踊っているのだ。



今の時代、どんな方法ででも知識を得ることは可能だ。
無知であることは罪ではないが、
無知を武器にして生活するというのは、文化人のすることではない。

少なくとも、自分は自分にできることをしよう。

■ 2011年3月25日 ■ inserted by FC2 system